03.18
2016 ARTIST

【ここが聴きどころ!】サー・ネヴィル・マリナー指揮アカデミー室内管弦楽団 vol.2

サー・ネヴィル・マリナー指揮アカデミー室内管弦楽団の最後の来日ツアーをお楽しみいただけるよう、演奏曲の解説をご紹介!
今回は第1弾、「プロコフィエフ:交響曲 第1番 ニ長調『古典交響曲』op.25」の解説をご覧ください。


プロコフィエフ:交響曲第1番 ニ長調 作品25 「古典交響曲」

20世紀ロシアの代表格セルゲイ・プロコフィエフ(1891−1953)が残した7つの交響曲の内、ロシア革命を機に国を離れる以前に書かれた唯一の作品。革命が起きた1917年=ペテルブルク音楽院卒業から3年を経た26歳時に完成され、翌1918年4月、自身の指揮により初演された。彼はその直後、シベリアと日本を経由してアメリカへ渡り、1930年代前半までパリで暮らすことになる。
この曲は、音楽院で学んだハイドンの手法を規範に、「ハイドンが現代に生きていたら書いたであろう作品」を意図して作曲された(名ピアニストたる作曲者が、ピアノを用いずに創作したともいわれる)。そのため古典派時代のシンプルな2管編成で書かれ、簡潔な構成と爽快で愉しい曲調を有している。当時の彼は、前衛的なモダニズムを打ち出していただけに、この意外な形態は周囲を驚かせた。しかし実態は単なる古典の模倣ではなく、近代的な和声や突然の転調などが用いられ、瑞々しい感性が息づいている。そこがプロコフィエフならではの魅力であり、今に至る人気の要因でもあろう。
第1楽章(アレグロ)は、2つの主題に基づくソナタ形式の溌剌とした音楽。第2楽章(ラルゲット)は、透明感を湛えた3部形式の緩徐楽章。第3楽章(ガヴォット。ノン・トロッポ・アレグロ)は、古典派時代のメヌエットではなく、バロック時代の組曲に根ざした簡素なガヴォット。第4楽章(モルト・ヴィヴァーチェ)は、活気に充ちたソナタ形式の快速フィナーレ。
(音楽評論家・柴田克彦)


プロコフィエフの「古典交響曲」は、室内オーケストラの大切なレパートリーの一つ。変幻自在なオーケストラ編成を持つアカデミー室内管弦楽団ですが、この作品では緻密なアンサンブルをご堪能いただけます。

こちらは、マリナー指揮ロンドン交響楽団の演奏。
i_marinner15_flier_f_ol

日時:2016年4月9日(土)14:00開演
会場:東京オペラシティ コンサートホール
曲目:
プロコフィエフ:交響曲 第1番 ニ長調「古典交響曲」op.25
ヴォーン・ウィリアムズ:トマス・タリスの主題による幻想曲
ベートーヴェン:交響曲 第7番 イ長調 op.92

チケット:
全席指定 S¥22,000 A¥20,000 B¥18,000(残席僅少) C\16,000(完売)