06.03
2016 TICKET

【チケット発売情報】パスカル・ロジェ ピアノ・リサイタル

フレンチ・ピアニズムの名手として名高いパスカル・ロジェ。日本美術をこよなく愛するロジェが、「すみだ北斎美術館」開館を記念し、葛飾北斎の浮世絵とコラボレーションします!
ジャポニズムの影響を多分に受けたドビュッシーの前奏曲を、スクリーンに映し出される北斎作品と共に、アーティスティックな空間でお楽しみください。
Pascal Roge(c)Nick Granito
公演に寄せて
――パスカル・ロジェ

 視覚芸術は多大な影響力を持っています。ハーモニーは色であり、フレーズは風景画のようで、フランス作品において、特にドビュッシーではこのような連想が強く表れてきます。
 ドビュッシーは真に革新的な存在でした。突然現れた新たな和音、音階、音色によって、歴史を完全に変えてしまったのです。彼自身は「印象主義者」と呼ばれることを拒んだものの、実際はとても印象主義的であり、その意味で彼の音楽は、見て、感じ、嗅ぐことすらできるほど“視覚的な”ものなのです。
ドビュッシーの音楽では、水、風、太陽、雪、月、雲、そして「海」などの自然の要素が度々登場します。葛飾北斎が描いた大波はドビュッシーの『海』の初稿で表紙を飾りました。私にとって最も重要なことは、ドビュッシーと葛飾北斎は私たちの想像力を掻き立てる存在であるということです。彼らは私たちに、音やイメージを超えて、私たち自身の感覚や感情の世界を見つけるよう求めているのです。偉大な芸術家の本質は描いたり見せつけたりするものではなく、芸術の力とは、感動を呼び起こし夢や感情を抱かせるものなのです。私は演奏者として、心に触れ揺り動かしたいのです。ドビュッシーの音楽は、聴衆を感動させるのに最も適する音や色を、私にもたらしてくれます。
 現代におけるフランスと日本の芸術性のつながりは、視覚や音楽だけでなく、その様式にまで及んでいます。ドビュッシーの24の前奏曲は私に俳句を連想させ、短く簡明なそれらは詩と創造の世界へと誘います。風景、雪の冷たさ、イタリア半島の暑さ、霧や風、寺社に射す月の光、不思議な妖精…。皆さんに、2人の天才による視覚と感覚の世界をお楽しみいただけるよう、心より願っています。
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日時:2016年11月19日(土)19:00開演
会場:すみだトリフォニーホール
曲目:
ドビュッシー:前奏曲 第1集、第2集

チケット:
全席指定 S¥5,000 A¥4,000 学生¥3,000

6月6日(月)一般発売!