01.01
1970

ヘルムート・ライヒェル・シルヴァ Helmuth Reichel Silva

Helmuth_Reichel Silva(c)H.R.Reyes
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深い音楽的アイデアと、それを達成するテクニカルな才能は、我々に感銘を与えた。
――デニス・ラッセル・デイヴィス

 真の音楽的才能と人々を感動させる力を持つヘルムート・ライヒェル・シルヴァは、急速に注目を集める多才な若手指揮者であり、ヨーロッパ、南アメリカ、アジアの各地のオーケストラを指揮している。2015年第54回ブザンソン国際指揮者コンクールで第3位に輝き、シュトゥットガルトで開催された第6回ドイツ指揮者コンクールでは第2位となる。ベオグラード国際青年音楽コンクールではオーケストラ賞を獲得し、2017年にはチリ国立交響楽団との演奏がアート・クリティクス・サークル・オブ・チリのベスト・パフォーマンス賞を受賞した。
 2018/19シーズンは、南西ドイツ・プフォルツハイム室内管弦楽団、SODRE交響楽団、テムコ・フィルハーモニー管弦楽団等にデビューし、チリ国立交響楽団、チリ室内管弦楽団、ラ・セレナ交響楽団を再び指揮した。近年は、シュトゥットガルト放送交響楽団、シュトゥットガルト・フィルハーモニー管弦楽団、バーゼル交響楽団、南西ドイツ室内管弦楽団、パドヴァ・ヴェネト管弦楽団、ヴュルテンベルク・フィルハーモニー管弦楽団、ジョルジェ・エネスク国立フィルハーモニー管弦楽団、南西ドイツ室内管弦楽団、シュトゥットガルト室内管弦楽団等を指揮し、母国チリではすべての主要オーケストラに客演している。
 日本では東京交響楽団とオーケストラ・アンサンブル金沢を指揮し、好評を得る。今後はニュルンベルク交響楽団およびコンセプシオン大学交響楽団へデビューするほか、チリ国立交響楽団、チリ室内管弦楽団、ラ・セレナ交響楽団、チリ国立ユース・オーケストラへ再び登場することが決まっている。
 2016年、チリ国立交響楽団にデビューし高評を得て、すぐさま翌年のサマー・コンサート・シリーズで再び登場した。フルティジャール音楽祭ではベートーヴェンの交響曲第9番とチャイコフスキーの交響曲第5番を指揮し、喝采を浴びた。2019年のシーズン・オープニングにはストラヴィンスキーの《春の祭典》とバルトークの《管弦楽のための協奏曲》を指揮した。
 2015年よりユンゲ・ドイチェ・フィルハーモニー管弦楽団の指導者兼指揮者として若い音楽家のサポートを行い、デニス・ラッセル・デイヴィスやインゴ・メッツマッハ―らのアシスタントも務めている。
 ラテン・アメリカ人作曲家による20世紀の作品にも取り組んでおり、チリの作曲家エステバン・コレアの作品をラ・セレナ交響楽団と録音した。ヒナステラやヴィラ=ロボス、レブエルタス等による40以上の作品も積極的に取り上げている。
 1983年、チリのサンティアゴでドイツ系の家庭に生まれる。5歳でヴァイオリンを始め、チリ国立音楽院で学ぶ。その後ドイツへ移り、ヴュルツブルクでソリスト・ディプロマを修了。2007~2010年にはシュトゥットガルト・フィルハーモニー管弦楽団とゲルゼンキルヒェン市立歌劇場のヴァイオリニストとして、オーケストラ・レパートリーやオペラの経験を積んだ。その後指揮を、シュトゥットガルト音楽大学でペル・ボリンに、トロッシンゲン音楽大学でセバスチャン・テウィンケルに師事。ヨルマ・パヌラ、湯浅勇治、ロドルフォ・フィッシャー、天沼裕子のマスタークラスを受講し、ジョナサン・ノットとは緊密な関係を築いている。また、バーデン=ヴュルテンベルク州において、若い指揮者にドイツ国内の一流オーケストラと共演するチャンスを与えるプログラムにも参加した。