04.05
2016 ARTIST

【ここが聴きどころ!】サー・ネヴィル・マリナー指揮アカデミー室内管弦楽団 vol.4

サー・ネヴィル・マリナー指揮アカデミー室内管弦楽団の最後の来日ツアーをお楽しみいただけるよう、演奏曲の解説をご紹介!
今回は聴きどころ第4弾、いよいよ目玉の「ベートーヴェン:交響曲 第7番 イ長調 op.92」の解説をご覧ください。

ベートーヴェン:交響曲 第7番 イ長調 op.92

 ウィーン古典派の巨匠ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770−1827)屈指の人気交響曲。ワーグナーによる「舞踏の神化」の形容でも知られる。
 交響曲第5番&第6番から3年、健康不安や失恋が重なっていたベートーヴェンは、1811年夏、ボヘミアの温泉地テープリッツに出かけて気力を回復し、新たな交響曲に挑む。1812年5月にはほぼ完成。翌年初頭に修正された。公開初演は1813年12月ウィーン大学講堂における「戦争傷病兵のための慈善コンサート」。ナポレオン軍に対する戦勝ムードの中で行われた同公演で大成功を収め、生前最大のヒット交響曲となった。
 交響曲1曲ごとに新たな試みを行ったベートーヴェンが、ここで打ち出したのは“リズムの徹底強調”。各楽章に固有のリズム・パターンが設けられ、カンタービレ(歌うこと)の共存までもが企図されている。純粋な緩徐楽章を欠くのも大きな特徴。そしてハイドン等の交響曲と同じ編成でもたらされる推進力に充ちた迫力は、驚きというほかない。
 第1楽章(ポーコ・ソステヌート─ヴィヴァーチェ)は、長めの序奏から、「ターン・タタン」の基本リズムに導かれて主部に入り、熱狂的な盛り上がりをみせる。第2楽章(アレグレット)は、「タータタ・ターター」のリズムが支配する、哀愁を帯びた楽章。「不滅のアレグレット」とも称される。第3楽章(プレスト)は、「タタタ・タタタ」を基本リズムとするスケルツォに、民謡風のトリオが2度挟まれる。第4楽章(アレグロ・コン・ブリオ)は、冒頭の「タンタタタン」などのリズムが、狂喜乱舞状態を創出する。

(音楽評論家・柴田克彦)
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日時:2016年4月9日(土)14:00開演
会場:東京オペラシティ コンサートホール
曲目:
プロコフィエフ:交響曲 第1番 ニ長調「古典交響曲」op.25
ヴォーン・ウィリアムズ:トマス・タリスの主題による幻想曲
ベートーヴェン:交響曲 第7番 イ長調 op.92

チケット:
全席指定 S¥22,000 A¥20,000 B¥18,000(残席僅少) C\16,000(完売)