09.03
2015 CD

イザベル・ファウスト、「シューマン: ピアノ協奏曲 イ短調、ピアノ三重奏曲 第2番」リリース!

シューマン: ピアノ協奏曲 イ短調、ピアノ三重奏曲 第2番 ヘ長調

シューマン:ピアノ協奏曲 イ短調 op.54
シューマン:ピアノ三重奏曲 第2番 ヘ長調 op.80

パブロ・エラス=カサド指揮/フライブルク・バロック・オーケストラ
イザベル・ファウスト(ヴァイオリン)
ジャン=ギアン・ケラス(チェロ)
アレクサンドル・メルニコフ(フォルテピアノ)

[Harmonia Mundi]

★アレクサンドル・メルニコフ(ピアノ)、イザベル・ファウスト(ヴァイオリン)、ジャン=ギアン・ケラス(チェロ)という、いまや世界が認める存在となった三人による、シューマン・プロジェクトの第2弾。2015年4月に発売された第1弾(HMC.902196)の熱もさめやらぬ中、今回はメルニコフがソロを務めるピアノ協奏曲を中心に据え、カップリングはピアノ三重奏曲第2番 ヘ長調というプログラムです。
★シューマンの協奏曲3 曲(ピアノ・ヴァイオリン・チェロ協奏曲)+ピアノ三重奏曲3曲のレコーディングをするというこのプロジェクトは、3人が、ヨーロッパでシューマンのピアノ三重奏曲を演奏するツアーを行った際に持ち上がったといいます。楽器は、ガット弦を張った弦楽器、そしてフォルテピアノで、ということになり、オーケストラもソロ楽器に合った編成のフライブルク・バロック・オーケストラに決定。指揮は俊英エラス=カサド。オケとソロ楽器の素晴らしいバランス、自然なアーティキュレーションで作品に対する既成概念を払拭するような、まさにこの顔ぶれでしか為し得ない水準での、新しいシューマン・シリーズとして世界が注目しています。
★ピアノ協奏曲は冒頭から切っ先鋭いテンポ。その後のピアノとオーケストラの掛け合いは実に流麗にしてロマン味溢れております。主題の「ドシララ(ドイツ音名でC-H-A-A)」は愛する妻クララのイタリア名Chiaraを暗示しているとする説がありますが、メルニコフも意味深長に主題を響かせています。全篇をとおしてメルニコフの生き生きとしたフォルテピアノが際立っており、彼の音楽の充実ぶりをあらためて実感します。オーケストラ間奏もまるで交響曲を聴いているような、エネルギー全開の演奏となっています。カップリングのピアノ三重奏曲第2番は、1847年に第1番と同時期に作曲されました。次第にシューマンを苦しめる心の病から逃れるかのように、明るく前向きな内容で、シューマン自身「甘やかで生き生きとした印象」としており、後にクララ・シューマンはこの作品について「私の魂の深いところをあたたかく包み、最初から最後まで私を喜ばせる作品」であり「大好きで何度も演奏したい」と述べました。明るく生き生きとした第1楽章冒頭、優しく愛に溢れた第2 楽章、穏やかに何かを懐かしむような第3楽章、そしてうねる楽想の終楽章。名手3人が見事なアンサンブルですべての楽想を慈しむように奏でています。
★ボーナスDVDはベルリン・フィルハーモニーで行われたライヴの模様(協奏曲)が収録されています。(キングインターナショナル

ファウスト、ケラス、メルニコフ_シューマン2