09.09
2021 ARTIST

ゲルハルト・オピッツ(ピアノ)、リサイタル~展覧会の絵~のプログラムに寄せて

毎年テーマを持った意欲的なプログラムに取り組んでいるドイツ・ピアニズムの巨匠ゲルハルト・オピッツから、プログラムに寄せてメッセージが届きました。

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 1784年に作曲されたモーツァルトのソナタK457から、1874年に作曲されたムソルグスキーの「展覧会の絵」まで、90年という時間を振り返るプログラムをお届けします。ベートーヴェンのエロイカ変奏曲と共に、偉大な作曲家たちの個性と独自の音楽言語を映し出す作品群です。
 モーツァルトが悲哀で劇的なハ短調のソナタを完成させた数か月後に幻想曲K475が作曲され、両作品ともトラットナー夫人に献呈されました。モーツァルトはこの二曲を一冊にまとめて出版したかったようで、これらは二つで一つなのです。私も昔から一つの長大な作品のように感じていて、幻想曲はソナタK457への大事な序奏だと考えています。
 1802年、ベートーヴェンは「コントルダンス」と「プロメテウスの創造物」の主題を用いて変奏曲とフーガを作曲しました。この「エロイカ変奏曲」という名は、1803年に交響曲第3番《英雄》(エロイカ)が作曲された後に付けられ、第4楽章の主題が変奏曲の冒頭主題に使われています。ベートーヴェンの変奏曲の創作における天才的な力を示す作品です。
 ムソルグスキーは友人であったロシア人芸術家のハルトマンが描いた絵から、この「展覧会の絵」へのインスピレーションを得ました。1873年にハルトマンが亡くなり、10の音楽を10の絵画に当てはめるように作曲し、類い稀な想像力と創作力を発揮しました。ムソルグスキーは展覧会で次々に絵を見て歩く様子を「プロムナード」で表したと友人に語っていますが、これを序曲のように見立て、プロムナードの変奏を入れながら、それぞれの絵画から得た印象を見事に表現しています。ラヴェルをはじめ、多くの作曲家がこの作品をオーケストラ用に編曲していますが、原曲のピアノ版が最もムソルグスキーの個性を現した真なる作品なのです。
ゲルハルト・オピッツ
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◎日時:2021年12月14日(火)18:15開場/19:00開演
◎会場:東京オペラシティ コンサートホール
◎曲目
  モーツァルト:幻想曲 ハ短調 K475
  モーツァルト:ピアノ・ソナタ 第14番 ハ短調 K457
  ベートーヴェン:《プロメテウスの創造物》の主題による15の変奏曲とフーガ op.35 (エロイカ変奏曲) 
  ムソルグスキー:組曲「展覧会の絵」

◎チケット価格
全席指定:S¥6,500 A¥5,500 B¥4,500 学生¥3,000


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