アブデル・ラーマン・エル=バシャ Abdel Rahman El Bacha

Abdel Rahman El Bacha(c)Chloe Kritharas

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プロフィール

 ベイルート(レバノン)の音楽一家に生まれる。1967年よりピアノをツヴァルト・サルキシアンに師事し、弱冠10歳でオーケストラと初共演を果たす。1973年、クラウディオ・アラウに将来を嘱望され、その翌年にフランス、ソ連、イギリスの奨学金によりパリ国立高等音楽院へ入学。ピエール・サンカンに師事し、ピアノ、室内楽、和声法、対位法の4科で首席となった。1978年、19歳の時にエリザベート王妃国際音楽コンクールにおいて審査員満場一致で優勝し、一躍世界の注目を浴びる。
 これまでに、ザルツブルク・モーツァルテウム、パリ・シャンゼリゼ劇場、アムステルダム・コンセルトヘボウ、ミュンヘン・ヘラクレスザールをはじめとする世界の主要ホールに登場し、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団、パリ管弦楽団、フランス国立管弦楽団、フランス放送フィルハーモニー管弦楽団、ベルギー国立管弦楽団、グルベンキアン管弦楽団、スイス・ロマンド管弦楽団、NHK交響楽団等のオーケストラと共演している。また近年は、サル・プレイエル、シテ・ドゥ・ラ・ムジーク、プロヴァンス大劇場等に登場し、アメリカではシャーロット交響楽団やトレド交響楽団と共演、モントリオールや日本でも演奏している。
 フォルラーヌ・レーベルからリリースしたプロコフィエフの初期作品の録音でシャルル・クロ・アカデミー大賞を獲得し、1983年の授賞式ではプロコフィエフ夫人から賞を手渡された。同レーベルからは、バッハやラヴェルの協奏曲のほか、シューマン、ラヴェル、シューベルト、ラフマニノフの作品集をリリースしている。ショパンのピアノ曲を作曲年代順に全曲録音しており、ピアノとオーケストラのための作品はシュテファン・ザンデルリンク指揮ブルターニュ国立管弦楽団とレコーディングしている。また、オクタヴィア・レコードからラヴェルのピアノ・ソロ作品全集、バッハの平均律クラヴィーア曲集、シューベルトの即興曲集、グラナドスの『ゴイェスカス』を、ミラーレからプロコフィエフのピアノ・ソロ作品集とベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集をリリース。今後、MClassicsからプロコフィエフのピアノ・ソナタ第6、7、8番をリリース予定。
 作曲家としても活躍目覚ましく、自作曲はフランスの出版社Editions Delatourから出版され、自作のピアノ作品のアルバム『アラベスク』をミラーレからリリースしている。1998年フランス政府よりフランス芸術文化勲章シュヴァリエを授与され、2002年にはレバノン大統領より功労賞の最高位メダルを贈られた。2019年、ベルギーのルーヴェン・カトリック大学から名誉博士号を授与された。フランスとレバノンの2つの国籍を持つ。