栁澤 寿男 Toshio Yanagisawa

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プロフィール

 旧ユーゴスラヴィアを中心に活動する指揮者として知られる。指揮を佐渡裕氏、大野和士の各氏に師事。2000年東京国際音楽コンクール(指揮)第2位受賞。スイス・ヴェルビエ音楽祭指揮マスタークラス・オーディションに合格し、ジェイムズ・レヴァイン、クルト・マズアの各氏に師事。
 2005-2007年マケドニア旧ユーゴスラヴィア国立歌劇場首席指揮者、2007年、UNMIK国連コソボ暫定行政ミッション下のコソボフィルハーモニー響首席指揮者に就任。日本政府文化無償援助での楽器支援を実現。そのほか、サンクトペテルブルク響、プラハ響、フラデツ・クラーロヴェー響、西ボヘミア響、サラエボ・フィル、セルビア放送響、ベオグラード国立歌劇場、ニーシュ響、アルバニア放送響、イスタンブール国立歌劇場などに客演。
 2007年、旧ユーゴスラヴィアの民族共栄を願ってバルカン室内管弦楽団を設立。2009年、コソボ北部ミトロヴィッツァにおいてUNDP国連コソボ開発計画、国際安全保障部隊、コソボ警察などの協力のもと、コソボ紛争後初となる混合民族音楽家の文化交流を実現。2010年、ニューヨーク国連総会に付随するイベント「バルカン・リーダーズ・サミット」に招かれ演奏。2011年には、UNDP国連開発計画アルバニアと共にロマ民族の子供たちとの共演コンサートを開催。2015年からはWorld Peace Concertを一年に一度世界各地で開催している。これまでにウィーン、ジュネーヴ、ベオグラード、サラエボ、ニューヨーク、東京などで開催し、諏訪内晶子(ヴァイオリン)、ペーテル・ヤブロンスキー(ピアノ)、パスカル・ロジェ(ピアノ)など世界的なソリストたちとも協演を重ねている。2016年には、ジュネーヴ国連欧州本部(在ジュネーヴ国際機関日本政府代表部と国連欧州本部主催)で演奏を披露。また2016年来日時には玉置浩二と共演し、自身の著書「歓喜の歌」に共鳴した玉置氏が尊き命あるものとの共存、平和への祈りを込め「歓喜の歌」を作曲。バルカン室内管弦楽団はバルカン半島地域文化の貴重な架け橋となっている。
 柳澤寿男とバルカン室内管弦楽団の活動はこれまでにNHK総合テレビ「おはよう日本」、NHK Eテレ「SWITCHインタビュー 達人達 石井竜也×柳澤寿男」、NHK BS1テレビ「BS特集」「エルムンド」、TBSテレビ「NEWS23」、日本テレビ「News Every」「News Zero」、フジテレビ「ニューススピーク」、テレビ東京「世界なぜ?!そこに日本人」、BSジャパン(テレビ東京系)「戦場に音楽の架け橋を(日本放送文化大賞グランプリ受賞作品)」「分断された音楽の架け橋」など放送されているほか、日本の高等学校教科書「世界史A(実教出版)」、「最新図説 現社(浜島書店)」などに記載されている。2019年9月には天皇陛下が柳澤寿男のコソボでの活動に言及。またコソボの芸術・文化の発展とBCOを通した地域和平への尽力によりコソボ大統領勲章(文化功労賞)を叙勲される。
 日本国内では新日本フィル、日本フィル、東京フィル、東京都響、東京響、東京シティ・フィル、札幌響、仙台フィル、群馬響、名古屋フィル、京都市響、大阪フィル、日本センチュリー響、関西フィル、兵庫芸術文化センター管、九州響、アンサンブル金沢などに客演。2015年より東日本大震災復興支援のひとつとして坂本龍一監督による東北ユースオーケストラの指揮者を務めている。また同年より日本の音楽シーンをリードするポップミュージシャンとフルオーケストラによる融合プロジェクト、ビルボードクラシックスPremium Symphonic Concertの指揮者を務めている。著書に「バルカンから響け!歓喜の歌(晋遊舎)」など、2020年、バルカン室内管弦楽団とドヴォルザーク・チャイコフスキーの弦楽セレナーデのCDをリリース(AUDITE)。
 現在、バルカン室内管弦楽団音楽監督、コソボ・フィルハーモニー響首席指揮者、ベオグラード・シンフォニエッタ名誉首席指揮者、東北ユースオーケストラ指揮者、京都フィルハーモニー室内合奏団ミュージックパートナー。

ディスコグラフィー

戦場のタクト(書籍)
栁澤_戦場のタクト(書籍)
柳澤寿男 著
実業之日本社(2012年)