太田 戸紫子 Toshiko Ohta

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プロフィール

 福岡県の戸畑市(現在の北九州市)に生まれた事にちなみ、戸畑の戸と筑紫平野の紫を取って戸紫子と命名された。当時の日本は戦後の混乱がまだ残っており、経済的に疲弊していた。母が音楽教師という幸運に恵まれ、家にピアノがありピアノに親しむことで、ピアニストになる道が形成されたようである。4歳の頃の教会のクリスマス・コンサートで人々の前でピアノ演奏したのが、デビューということになった。
 その後、一家で東京に出ることになり、資金作りのためにピアノは売却され、東京ではすぐにはピアノを購入することが出来なかった。しかし、机の上で母が作った紙鍵盤で楽譜を見ながら指を動かし、音の出ないのを補うために、声を出して歌った。少し辛くはあったが真剣だった。1~2年後、やっとピアノが購入出来て、8歳の時、初めて母以外のピアノ教師、江藤玲子についてピアノを学び始めた。その後、市橋陽子氏、富本陶氏、井口愛子氏に師事した。15歳の時、数学が好きだったので、かなり迷いはあったものの、音楽を専門とする道に進み、今日までピアノを弾き続けることとなった。
 桐朋学園高校在学中の17歳の時、初来日した巨匠アルトゥーロ・ベネデッティ=ミケランジェリの前でピアノを弾く機会があった。ショパンのバラード4番を聴いて頂いたが、その内の一人の内田光子はベートーヴェンのソナタを弾いた。18歳の時ゲンリッヒ・ネイガウス(スタニスラフ・ブーニンの祖父にあたり、リヒテルやギレリスの師にもなるロシアのピアノの大教師)の著作に衝撃を受け、大きな影響を受けた。桐朋学園大学を卒業後、東京で開いたリサイタルのテープが故ワルター・クリーン氏に送られ、クリーンの師である故ヨーゼフ・ディヒラー教授に師事することが許可され、ウィーン国立音楽大学に入学した。在欧中、イタリアのシエナの夏季講座でアゴスティ教授やマルタ・アルゲリッチ女史の指導を受けた。1971年ウィーンのエレナ・ロンブロ・ステパノフ・コンクールで第3位、73年のスペインのバルセロナでのマリア・カナルス国際コンクールで第2位を獲得し、同年ウィーン国立音楽大学を「教授全員一致の優等賞」をもって卒業し、日本に戻った。その後、広く演奏会、放送、レッスン、評論、エッセイを主とした活動を続けた。1980年代は2人の子供の子育てに追われていたが、演奏活動を継続した。教育活動として、現在までに、桐朋学園、東京音大、尚美ディプロマコースなどで教鞭をとっている。90年代にはデビュー20周年記念リサイタル、シューベルト記念の年にはシューベルト・リサイタル、ショパンの没後150周年には記念リサイタル、その他多くの演奏会、邦人作曲家のリサイタル、オーケストラとの共演、さらに海外の演奏家との室内楽の共演も行っている。リサイタルを録音したテープを聴いた巨匠ブレンデルは、その演奏を高く評価し、数回にわたり彼女にアドバイスを与えた。それ以降、今日に至るまでブレンデルとの親交が継続している。NHKラジオ「朝のリサイタル」「午後のリサイタル」「夕べのリサイタル」などの放送番組にも多数出演している。2004年にはデビュー30周年記念公演を行い、好評を博した。

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ディスコグラフィー

ピアノ・リサイタル 1999
太田戸紫子 ピアノ・リサイタル 1999
ショパン:
ノクターン 第17番 ロ長調 op.62-1
幻想曲 ヘ短調 op.49
3つのマズルカ op.50-1,2,3
バラード 第4番 ヘ短調 op.52
スケルツォ 第1番 ロ短調 op.20
アンダンテ・スピアナートと華麗なり大ポロネーズ 変ホ長調 op.22
ピアノ・ソナタ 第3番 ロ短調 op.58
マズルカ イ短調 op.17-4 

[トランスライブ]
お申込み◎パシフィック・コンサート・マネジメント TEL: 03-3552-3831
ピアノ・リサイタル 1997
716_480x473[1]
シューベルト:ピアノ・ソナタ 変ロ長調 D960
ショパン:24のプレリュード op.28

[トランスライブ]
お申込み◎パシフィック・コンサート・マネジメント TEL: 03-3552-3831
ピアノ・リサイタル 1995
717_480x477[1]
スカルラッティ:
ソナタ ヘ短調 L.187
ソナタ ロ短調 L.449
ソナタ ニ短調 L.413
ソナタ ニ短調 L.422
ソナタ ホ長調 L.23
ソナタ ハ長調 L.104
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第32番 ハ短調 op.111
シューマン:クライスレリアーナ op.16
ラフマニノフ:プレリュード op.32-5
ショパン:ノクターン op.27-2

[トランスライブ]
お申込み◎パシフィック・コンサート・マネジメント TEL: 03-3552-3831